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半年近く間が空いてしまったんですが、以前に話したSSを投稿します。儚い感じを前面に出したくて色々と描写に悩んでしまい時間がかかりましたが、一生懸命書いたのでぜひ読んでください。
「谷崎さん、以前に話したこと覚えていますか? 裕一があたしの病気をちゃんと分かってなくても、それでも裕一が選んだ道だから、それについて誰かが口出しすることはできない……。でも裕一はバカだから先のことなんか考えてないだけなんじゃないかな、って……そうも思っちゃうんです」
市立若葉病院の屋上で、谷崎亜希子と秋庭里香は手摺りにもたれながら青い空を見ていた。
里香の定期検査が終わってから、今はいない戎崎裕一も含めて三人で来たのだが(亜希子はサボり)、裕一は先ほど里香にオレンジジュースを買ってくるように言われて出て行った。
「これからもあたしは裕一から色んなものを奪っていく、それでも裕一が全く後悔しないかというと、きっとそうじゃないと思います」
里香がそう言いながら亜希子のほうを少し見た。亜希子はタバコをふかしながら呆っとしている。
十秒の間を空けて、亜希子が煙を吐いた。
「そうだね。あいつ、バカだから。あんたのことしか頭にないんだよね。でもいいんじゃないの? あいつだって必死になってさ、空の手であんたを支えようとしている。余計なものを持ってたらあんたを支えきれないからね。……あいつの力じゃ余分なものを持ってる余裕は無いんだよ。だからそれはもうあいつ自身の問題」
言い終わると、タバコをじっくりと味わいながら肺まで煙を深くまわす。ついでに吐く時に輪っかを作った。
不意に扉が開いて、裕一が屋上へと戻ってきた。
「里香。はいこれ、オレンジジュース」
「ありが――――」
早速買ってきたオレンジジュースの缶を里香へと渡し、里香もそれを何気なく受け取ろうとした……が、
「――っ! 裕一のバカ! あたしはつぶつぶ入りは飲まないってあれほど言ってるのに!」
「い、いや、すっかり忘れ……って、危なっ! 何も投げなくても……ちょ、待ってくれよ里香〜!」
里香が果汁入りのオレンジジュースの缶を投げつけてから裕一に怒鳴って、ズカズカと帰ろうと歩いて行く――裕一を無視して。
――あ〜あ、何やってんだか……。亜希子はそんなことを思いながら苦笑して、今日二本目のタバコに火を点けてしまいギクリとする。……夜、寝る前に吸う分が無くなってしまったのだ。
「里香〜、待ってくれよー」
「近寄らないで! ――――! ちょっと、どこ触ってんの!? ヘンタイ!」
「違っ! ……ぐへっ! 誤か……いてっ! だって、里……」
里香にしがみついた裕一は蹴られて振りほどかれ、更に殴られ、トドメに閉じられた扉に頭を激突して沈黙した。
うん、あれも一つの愛情表現なんだろう。一部始終を傍観していた亜希子はそんなことを思いながら、二本目のタバコを大事に味わった。
自転車を押して歩いていると、偶然にもペダルが脛に当たった。これ幸いと、里香の気を惹きたくて大袈裟に痛がったが、清々しいまでに無視された。いつも通りに笑って欲しかった。裕一はバカだなあ……って、笑って欲しかった。
里香はずっと不機嫌だった。いやまあ、この女が機嫌の良い時なんて大抵その後に何かしらの無理難題を押しつけられるけどさ。取り敢えず家へ送る途中の上り坂の手前で、僕は里香に自転車の後ろに乗るように言った。里香は相変わらず口を尖らせて僕の方を見ようとしなかったけど、それでも一応は緩慢な仕種で後ろに乗ってくれた。
里香は自分が楽になることなら拒まない。だけどそれは彼女が自分の心臓が弱く、激しい運動をすることはできないと分かっているからだ。僕の言う事を素直に聞いてくれたのは嬉しいけど、やっぱり哀しい。
そうして坂道を漕ぎだすと、里香の細い手が腰の辺りを掴んできて、それがとても嬉しくて一生懸命に漕ぐ。
坂の中腹に差しかかって、里香がいきなり、
「がんばれ」
優しく励ましてきてくれた。僕は心を嬉しさに弾ませながら強がる。
「おう。余裕だって、これぐらい」
多分声も弾んでいたんだろう。後ろで微かに里香の笑い声が聞こえてきた。
あー、くそっ! 自転車を漕いでなければ振り返ってカメラで里香の笑い顔を撮れんのになぁ……。
「がんばれ、裕一」
「おう!」
坂道を上る途中で里香は笑いながら、がんばれと言ってくる。里香が楽しいと僕も楽しくなってくる。
坂を上りきると、里香が頭を撫でてきた。頑張ったね、裕一。よしよし。って。僕は嬉しくて、きっと僕の顔はニヤけてるんだろうなあ、そう思いながらも、それでもわざとふて腐れたように、
「オレは犬じゃねえって!」
里香も笑いながら頭を撫でてくる。メチャクチャ幸せだけどさ、やっぱ恥ずかしいんだよな、うん。
だから犬じゃねえって、と言いながら下り坂をブレーキをかけながら下りる。里香もぎゅっと僕の腰を掴んできて里香の温もりが背中に広がる。この幸福がいつまでも続きますように。って心の中で僕は願った。
僕の部屋には乾かしている写真がいくつも吊るされている。僕も里香もベッドの上に腰掛けながら、それらを見ていた。椅子は……あるけど壊れかけているしさ。
不意に、里香が枕の下に置いてあった彼女の写真を見つけてしまった。本当に偶然だった。ただ里香がベッドに腰掛けたまま、ゆっくりと後ろに倒れて、ついでに頭に敷こうと枕を手にして、その瞬間僕はギクリとして慌てた。――それを里香は見逃さなかった。里香は素早く枕を持ち上げて、下に置いてあった里香の写真を見つけたのだ。
そうして今、気まずい状況下にいる。
「裕一? これ何?」
「……写真です」
僕は里香から目を反らしながら答えた。いやまあ、写真なんて見りゃ分かるだろうけど、正直に言えるわけないじゃないか。――だってその見つかった写真は……
「何であたしが寝てる写真があるの? しかもスカートがめくれかかってて、危うくパンツが見えそうなくらいギリギリな姿だよね。裕一は直そうとかは思わずに、写真を撮ったんだ?」
「いやそのそれはそうじゃなくて……、気付かなかったっていうか里香の寝顔が可愛かったからで……別に邪な気持ちがあったというわけでは……」
スカートが半分めくれていたのは本当に偶然だった。けれど、里香の寝顔を撮ったのは邪な想いからじゃなかったかといえば、それはまあ、半分ほど嘘になる。だってさ、あんな可愛い姿を見せられて、写真に撮らないでいられるほど僕は朴念仁じゃないんだからさ。
けれど、流石にこの雰囲気でそれを言えるほど、僕も勇敢ではない。
「裕一も男の子だもんね……」
冷めた表情で言う里香は、怒りながらも何かに困っているようで……。僕は自分が情けなく思えて、今すぐに消えたいと思った。ああそうさ、できることなら今すぐ消え去りたい。
「はあ……。――――いいよ、裕一。少しだけ、なら……。その代わりにこの写真は没収するけど」
里香が顔を赤く、もうこれ以上は赤くならないだろうってぐらいに赤くさせながらそう言った。僕が驚きながら見ている目の前で、里香はベッドに寝転がった。
……“いいよ”って、やっぱりそういう意味として捉えていいのだろうか?
「えっと……、本当に、いいの? 里香」
僕は恐る恐る里香の上に覆い被さりながら尋ねた。ちょっと声が震えている。そりゃそうだろ。大好きな子と、その、そういうことをこれからできそうなんだから、普通はビビるだろ。
「…………触るぐらいなら。特別にいいよ」
悩んだ末に、妥協点を提案した里香に僕は頷いた。里香のこともあるからだ。実際にやったことがあるわけじゃない。だけど激しい運動が不可能な里香の心臓にとって、間違いなくそういう行為は危険だと分かる。
――だけどさ、『据え膳食わぬは男の恥』って言うだろ? こんな可愛い子が、顔を真っ赤にしてこんなことを言ってきて、それで平気な奴がもしいたら、そいつはゲイなんだろう。
僕はもちろん躊躇せずに里香とキスをした。いつも(正確には時々だけど)やっているような唇と唇を合わせるだけのキスじゃなくて、舌と舌を絡める濃密なキス。
「ん、ふぅ……。んあ、ぅん」
里香の甘い喘ぎ声が僕の耳朶をくすぐり、僕は無意識に目を開いた。見えたのは、ちょうど里香の閉じられた目。いつもするようなキスとは違って、互いの舌が絡まって絶えず唾液も絡まる。ちょっといやらしい音を出しながら。だけど不思議と嫌な気持ちはしない。むしろ気持ち良い。里香も同じなんだろう、舌を懸命に僕の舌に絡めてくる。僕も負けじと舌を絡める。
長く感じられたけど、短いキスを終えて唇を離すと、互いの唾液が絡み合って銀色の糸をひいていた。ちょうど互いの舌を繋ぐように。それはエロ本で見たやつなんかの十倍、いや、二十倍は官能的だった。里香はそれを見て慌てて顔を俯けた。その時、里香が驚き瞠目した。
まあ原因は分かっていた。大きくなってジーパンの中で必死に暴れている僕のムスコだろうと、すぐに分かった。もういやってぐらいに分かりきっていた。
「ゆ……裕、一。ここ、苦しい?」
「――うん」
そう言いながら、里香は、ジーパンのチャックを下ろして、僕の抑えが効かなくなった大きいムスコを取り出した。
――取り出したっていうよりは、出口が見つけた僕のものが飛び出したんだけどさ……。
「里香、握って、くれる?」
僕が訊くと、里香は本当に、本当に困った顔をして、それでも震える手で僕のムスコを握ってきた。ひんやりとした感触に僕は思わず、うっ。と小さく奇声を発した。すると里香が心配そうに見てきた。僕が上手く呼吸できない口で、「続けて」とだけ言うと、里香は困ったように首を傾げた。
「これを……どうすれば、いいの……?」
恥ずかしながら言う里香は最高に可愛いかった。僕は陶然とした気持ちで里香を見ていたけど、里香が不思議そうな顔をするので、僕は慌てて、
「上下に、動かして擦って。――そうすると気持ち良くなるから」
何とかそれだけ言った。里香はゆっくりとたどたどしい手つきで僕のを擦りだした。意外とそういう、慣れない手つきでぎこちなく擦られるのも気持ち良かった。いや多分、里香がそうしてくれるから、気持ち良かったんだろう。
僕は気持ち良くなりながらも、里香の服を脱がす。里香は恥ずかしがりながらも、それに抵抗せず上着を脱いだ。ピンクのブラジャーが可愛らしくて、急に何だか僕までそのことを恥ずかしく思った。本人も手で隠すようにしているから、おそらく僕と同じ、もしくはそれ以上なのかも。
「里香……。とっても可愛いよ」
僕にしては意外とすんなりとそんな言葉が出てきて、そう言いながらブラジャーのホックを引っ張ってはず……、あれ? 取れないな。おかしい、何で取れないんだ?
そうやって苦戦していると、里香が顔を反らして手を後ろに運んだ。そして僕の手を掴むと、ホックをずらして外した。……ああ、引っ張るんじゃなくてずらすのか。そんなことを考えながらブラジャーを寄せる。
露わになった里香の胸は……うん、小ぶりで可愛いじゃないか。決して僕は小さいだなんて思ってないぞ。うん、断じてそんなことは思ってない。――ただ、ちょっと発育が遅れてるんだな、って思っただけ。
その――小ぶりな胸を少し揉んでみた。
「んっ……」
里香が恥ずかしそうに顔を顰めた。だけど僕はゆっくりと揉みながらちょっと舐めてみた。
「ふぁっ、ダっ、や……」
里香が反射的に両腕を顔の前に持っていく。その仕種がすごく可愛くて、もっと見たくて、今度は乳首を舐めてみる。里香が必死に声を堪えながら僕を睨んできた。
「……あ、後、で、――ひゃっ!? 絶対、仕返し、んぅ、するからっ――ふんんぅ……」
ちょうど乳首を軽く吸うと、里香は声が出せずに身震いした。
これだけのことをして仕返しで済むんだったら安いもんだろう。そう思いながら今度は手をゆっくりと下に這わせる。
「ん、くすぐっ、たいっ」
脇腹を通って、おへそを通って、足の付け根を過ぎて――
「やぁっ、ダメっ! そこ、触っちゃ、ダメっ!」
どこに向かっているのか気付いた里香が慌てて叫ぶが、僕はそれにも構わず手をスカートの中に入れた。
――微かに湿ったパンツの向こう側に、柔らかい感触があった。くにくにとなぞると、里香は口をきつく結んで声を殺した。僕は里香の下腹部に顔を寄せて、おへその下辺りから舌を這わせながらパンツを少しずらす。
「ダメ! 裕一、それ以上はホントに……」
「ごめん、里香」
僕は里香の女の子の部分に舌を這わせ、ひだひだを押し分けて内側へ侵入。里香の香りが口の中に広がって、僕は夢中で里香を舐めた。
「はっ、ふっ、くぅ……んっ、あっ……!」
里香は息を荒げながら弱々しい力で僕の頭を引き離そうとしてくる。
「んっ、ダメ、息、くすぐった、や、気持ちい……」
次第に里香の体が軽く痙攣を起こし、そして舌を入れている部分が僅かに収縮する。
「んっ――――!!」
トロッ、と流れてきた液体を口に含みながら、僕は右手で自分のを扱いていた。そして僕も果てそうになって顔を顰めると、里香が潤んだ瞳で僕を見つめながら僕のムスコを口に入れた。
「ちょ、里香、出っ……」
「ひいよ、ひゅーいひ。あたひもひゅーいひの飲むはら」
里香が喋る度に歯と息が僕のを刺激する。限界が訪れた僕は里香の温かい口の中に思いっきり出した。
「んっ、むう、……んぐっ、ゴクッ。ごめんね裕一、でもあたしも出来る限りで裕一に返してあげたいから」
「里香……」
僕は脳が空っぽになるほど里香に魅惑され、そのまま優しく里香をシーツの上に押し倒して再び唇を重ねた。
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